MALDI-TOF-MS
MALDI-TOF-MS(Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization Time of Flight Mass Spectrometry)は、生体分子や高分子の質量分析に使用される高感度な分析技術です。
MALDI-TOF-MSの原理は、マトリックスとサンプルを混合し、レーザー照射でイオン化した後、飛行時間型質量分析計(TOF-MS)で質量を測定することに基づいています。
MALDI-TOF-MSは、タンパク質、ペプチド、核酸、ポリマーなどの大きな分子の質量を迅速かつ正確に分析できる特長を持ちます。
MALDI-TOF-MSとは
MALDI-TOF-MSは、高感度・高精度な質量分析技術であり、特に生体分子や高分子の分析に適しています。サンプルをマトリックスと混合し、レーザー照射でイオン化することで、分子を壊さずに分析できます。これにより、複雑な生体分子の構造を維持したまま測定でき、精度の高い結果が得られます。その高い感度と精度により、生体分子の研究や診断、材料科学など幅広い分野で利用されています。
MALDI-TOF-MSの原理
MALDI-TOF-MSの原理は、サンプルをマトリックスと混合し、レーザー照射でイオン化した後、飛行時間型質量分析計(TOF-MS)で質量を測定することに基づいています。
- 1. サンプル準備
- サンプルを適切なマトリックスと混合し、ターゲットプレートに塗布します。サンプルと混合されるマトリックスは、レーザーエネルギーを吸収しやすい物質です。このマトリックスは、サンプルをターゲットプレートに固定する役割を果たし、レーザー照射時にエネルギーを吸収してサンプル分子を保護します。
- 2. レーザー照射とイオン化
- レーザーを照射してマトリックスとサンプルをイオン化します。マトリックスが蒸発する際に、サンプル分子がイオン化されます。重要な点は、このイオン化の過程で、サンプル分子の化学構造が大きく破壊されないことです。マトリックスの助けを借りて、サンプル分子は穏やかにイオン化され、複雑な構造が保持されます。
- 3. 飛行時間型質量分析(TOF-MS)
- イオン化されたサンプル分子は、飛行時間型質量分析計(TOF-MS)に導入されます。TOF-MSはイオン化されたサンプル分子の質量を測定するために、その飛行時間を利用する装置です。
- イオンは加速され、質量分析計の飛行管(ドリフトチューブ)を通過します。ここで、軽いイオンは重いイオンよりも速く飛行管を通過します。つまり、イオンの質量電荷比(m/z)によって飛行時間が異なります。
- 検出器はイオンが到達するまでの時間を計測します。イオンの飛行時間は質量電荷比に依存するため、この時間を用いて各イオンの質量を計算することができます。
このように、分子の複雑な構造を保持しながらイオン化できるため、タンパク質やペプチド、核酸などの生体分子の正確な質量測定が可能です。分子を壊さずにイオン化することで、精度の高い質量スペクトルを得ることができ、微量のサンプルでも高感度で検出できます。