ICP-MS
ICP-MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)は、主に金属イオンを含む微量元素を高感度で検出できる分析技術です。
ICP-MSの原理は、サンプルをイオン化して質量分析計で測定することに基づいています。
ICP-MSはナノグラム(ng/L)レベルまでの微量元素を検出することができる非常に高い感度を持ちます。
ICP-MSとは
ICP-MSは、高感度・高精度な金属元素と一部の半金属元素の分析が可能な技術です。炭素や窒素のような軽元素の測定には向かないため、これらの元素を分析する場合には他の手法を使用する必要があります。ICP-MSの主な利点は、その高い感度と低い検出限界です。ナノグラム(ng/L)レベルまでの微量元素を検出することが可能です。
ICP-MSの原理
ICP-MSの原理は、サンプルをプラズマ中でイオン化し、そのイオンを質量分析計で質量電荷比(m/z)に基づいて分離・検出することに基づいています。
- 1. イオン化
- サンプルを液体に溶解し、噴霧装置により霧状にする。
- 霧状のサンプルをアルゴンガスによる誘導結合プラズマ(ICP)に導入。
- ICP内の高温(約6000〜10000K)でサンプル中の原子をイオン化。
- 2. 質量分析
- プラズマ中で生成されたイオンを、イオンレンズを通じて質量分析計に導入。
- 質量分析計(四重極質量分析計、飛行時間質量分析計など)で、イオンを質量電荷比(m/z)に基づいて分離。
- 分離されたイオンを検出器で検出し、各元素の存在量を測定。
また、複数の元素を同時に分析できる多元素同時分析が可能であり、1つのサンプルの分析にかかる時間は数秒から数分程度と迅速です。しかし、ICP-MSにはサンプル中の他成分(マトリックス)が分析結果に影響を与えるマトリックス効果や、特定のイオンが他のイオンと同じ質量電荷比を持つことによる干渉などの課題もあります。正確な定量分析を行うためには、キャリブレーション(校正)が重要です。既知の濃度の標準物質を用いて機器の感度を調整し、サンプルの分析結果を正確に定量化します。標準物質を使用することで、分析の信頼性が高まります。