ノルマルヘキサン抽出物

ノルマルヘキサン抽出物(n-Hexane Extractable Substances, HES)は、水中の油脂や油分などの物質をノルマルヘキサンで抽出することで得られる物質の量を示す指標です。

HESの値が高いほど、水中に多くの油分や有機性汚染物質が存在することを意味します。

サンプルにノルマルヘキサンを加えて油分を抽出し、その量を測定してHES値を算出します。

ノルマルヘキサン抽出物の定義

ノルマルヘキサン抽出物(HES)は、水中の油脂や油分をノルマルヘキサンという溶媒で抽出し、その重量を測定することで評価されます。この値は水中に含まれる油分や油脂の汚染度を示し、水質管理や環境評価において重要な指標となります。

ノルマルヘキサン抽出物の測定方法

ノルマルヘキサン抽出物の測定は、以下の手順で行われます:

1. サンプルの採取
水のサンプルを採取し、分析用の容器に入れます。

2. ノルマルヘキサンの添加
採取したサンプルにノルマルヘキサンを添加し、十分に撹拌して油脂を抽出します。

3. 抽出分離
水とノルマルヘキサンの層を分離し、油脂が含まれるヘキサン層を取り出します。

4. ヘキサンの蒸発
取り出したヘキサン層を蒸発させ、残留物を測定します。

5. HESの計算
残留物の重量を計測し、これがHESの値となります。この値は、水中の油脂や油分の量を示します。

なぜノルマルヘキサンを使用するのか

ノルマルヘキサンは、水中の油脂や油分を抽出する際に広く使用されている溶媒です。その理由と重要性について、以下に説明します:

1. 油脂や油分の効率的な抽出
ノルマルヘキサンは非極性の有機溶媒であり、油脂や油分などの非極性物質を効果的に溶解します。水と混ざり合わないため、水中から油分を選択的に抽出するのに最適です。

2. 低い沸点と安定性
ノルマルヘキサンの沸点は約69℃と低く、抽出された油脂や油分の沸点は比較的高いため、通常の蒸発温度ではこれらの物質は揮発しません。また、化学的に安定しており、試料中の他の成分と反応しにくい特徴があります。

3. 標準化された試験方法
多くの国や機関で、ノルマルヘキサンを用いた抽出法が標準化されています。これにより、測定結果の再現性や比較可能性が高まり、法的な規制や環境基準の遵守が容易になります。

4. 他の溶媒との比較
他の有機溶媒でも油脂の抽出は可能ですが、ノルマルヘキサンが選ばれる主な理由は、選択性と効率性、安全性、そして規制への適合性です。ノルマルヘキサンは油脂類に対する溶解力が高く、不要な物質を溶かしにくいという利点があります。

以上の理由から、ノルマルヘキサンは油脂や油分の抽出に最適な溶媒として広く使用されています。適切な温度管理と手順により、正確な測定が可能となり、環境保全や水質管理において信頼性の高いデータを提供します。